long





やっと追いついたと、そう思っていた。
やっとあの人と肩を並べていけるのだと。

望んだものは、何だったのだろう。
あの人の、望んだもの。
そして、自分の望んだものは、一体何だったのだろう。
ただ、あの人の安らげる場所になりたかったのだと、そう気付いたとき。

小さな願いは手の平に落ちる雪のように。
淡く溶けてしまっていた。






←back | next→